サブスクD2Cのユーザーインタビューことはじめ(※PMFフェーズ)
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サブスクD2Cのユーザーインタビューことはじめ(※PMFフェーズ)

これは何

  • Repro Inc. / ㈱銭湯ぐらしの伊藤(@n_11o)が自社でリピート通販事業(今風にいうとサブスク型D2C)を始めて1年ほど経ったので、この1年弱で行ったユーザーインタビューの方法や心掛けていることを備忘録的に書いたドキュメントです

目次

どんなことが書いてあるか?

  • ECに限らずゼロからサービスを作っていくうえで最も重要なことの一つだと思っている「ユーザーの声を聴くこと」について、自社の商材「お風呂のもと定期便」を事例に重要視している背景や実際の取り組みについてまとめています
  • 「なぜうちの商品が売れているのかわからない…😶」という個店の方や「お客さんがリピートしてくれなくて困ってます😢」という人は参考になるかもなのでぜひ読んでみてください
  • 結構長いので、お忙しい方は目次から自分の読みたいところに飛んでそこだけ読むのがお勧めです📖 あと閲覧はPC推奨です

前提(Disclaimer)

  • 社内ドキュメントを加工・流用しているので、"ですます調"と"である調"が混じっていたりするのはご容赦ください
  • D2C企業(モノ売り)がProblem-solution fitやProduct-market-fitのフェーズで行うインタビューです。その手前の"市場機会の探索"やデジタルで完結するプロダクトを手掛けている方は対象外となっており、あまり参考にならないかと思います
  • PdM/PMMの経験はおろかtoC向けのプロダクトを運営した経験もロクにないので、書籍や経験豊富な諸先輩方にやり方を聞きつつの我流です
  • 拙くも自社の手法を公開することでより良いフィードバックが集まることを期待して書いてもいるので、ご意見や批判バシバシお待ちしております

なぜユーザーインタビューが重要か

ユーザーインタビューの重要性についてはもはや自分がわざわざ述べる必要も無いかとは思いますが、目的はズバリ顧客解像度を高めるためです。

セグメントを使ってマクロからミクロに落とし込む、すなわち性別、年代、職業、学歴など、大人数を細かく区分する「符号」から消費者のクラスターを作成しても、そこにいる消費者の顔は分かりません…(中略)…「顧客を理解したい」なら、解像度(鮮明なn1の顧客情報)こそセンターピンと言えるでしょう (「「顧客の解像度を高める」こそマーケティングのセンターピンになるより抜粋」)

立ち上げ期のD2Cサブスクにおいては、具体的には次のようなメリットがあると考えます。

D2Cサブスクでユーザーインタビューを行うメリット

1. 現状の商材や打ち手へのリアルなフィードバック

  • アプリマーケでもよく言われていたが「定量分析では離脱の箇所(where)を突き止めることはできるが離脱した理由(why)を突き止めることはできない」というのが定量分析の欠点
  • 初期Reproの「動画分析機能」はその課題を解決するキラーツールだったが、D2Cサブスクにおいてもユーザーインタビューは定量データだけではわからない「課題の"why"」を突き止めるのに最も有効な手段

  • ユーザーインタビューを行うことで、顧客が満足している or 不満に感じている点、そしてその理由について知ることができる
  • 同じ定性的なフィードバックを得る手法としてはアンケート回答などもあるが、アンケートはインタビューより顧客が応じてくれるハードルは下がる反面、深いインサイトを取り出すことは難しいと感じている
  • 弊社ではアンケートとユーザーインタビューを使い分けることで顧客の解像度を高めている

補足: 耳の痛いことを言ってくれる顧客を身の回りから見つける

  • 対面やオンラインで会話を引き出せるとはいえネガティブな意見に関しては顧客から引き出すのは難しい(インタビューを受けていただいている時点でサービスに好意的なユーザーという選択バイアスが発生する)
  • なので、気軽にこちらから聞けて、尚且つ忖度の無いフィードバックをもらえる知人友人を身の回りで見つけるのはとても重要
  • 知り合いの中からターゲットを見つけるのが難しい商材もあるが、5人くらいはそういった協力者がいてくれると、ユーザーインタビューをした方々からは出てこないぶっちゃけた不満やサービスの課題が見つかる
    • 例えば自分の場合だと、家族や友人に買ってもらってより率直な感想や意見をもらっている
  • ただ、自社で想定しているジョブを抱えていない知り合いからの意見は逆にノイズになり得るので、どんな方からのご意見も有難くいただきつつ、取捨選択の軸は自社で持つべき

弟にも妹にも買ってもらっている我が家。フィードバックは母からきます
弟にも妹にも買ってもらっている我が家。フィードバックは母からきます

  • ちなみに率直な意見をくれるユーザーを身の回りから見つけることの重要性については、一世を風靡した女性メディアアプリ「C CHANNELの立ち上げメンバーである齊藤さんに伺いました
  • それ以外にも「PMFの突破方法」をテーマに齊藤さんとお話したPodcastがあるので是非そちらも聴いてみてください

2. 日常の深掘りとモーメント開発

  • Tweetでも触れたが、"商品開発ではなくモーメント開発 and ポジショニング開発"、すなわち顧客が自社商品を利用するシーンを明確にすること、他の代替手段ではなく自社サービスを選ぶ理由を明確にすることが重要
  • 特にリピートを前提とするサブスク型D2Cにおいては"繰り返し""飽き"等がキーワードとなるため、顧客の日常(多くは日次or週次)に発生するルーティンに組み込まれることが必須条件。不定期に発生するモーメントを捉えても意味はない。日常に迎え入れられないサービスは必ずチャーンする
  • そのため、サービス利用中や利用直後の行動と感想だけを聞くのは不十分で、起きてから寝るまでの1日や月曜から日曜までの過ごし方、一か月に数回は必ずやっていることなど顧客の日常を深く理解し、自社のサービスが日常生活のどこに入りこんでいるかを知ることが重要。こここそがアンケートでは代替できないユーザーインタビューの価値だと感じる
    • ヒアリングで"発言"よりも"行動"を重視している点などについては後述の「当日のヒアリング」パートにて
  • 例えば自社でいうと「ケ゚の日のハレ(≒日常の中の非日常)」という打ち出し方をしているため、"普段はバブやバスクリンを使っている人が土日にゆっくりお風呂に入るときや、とりわけ疲れた日の入浴時に自社商品を選んでくれているか"をヒアリングを通じて聞いている
  • 「そういうタイミングorそういう気持ちのときに使ってるんだ…!」とヒアリングした顧客から教わることも多いため、すでに日常にサービスが根差している顧客の良いユースケースは他の顧客にも紹介するとよい。特に契約初期のユーザーは日常へのビルトインが上手くいかずチャーンするケースが多い
  • 他社事例を挙げると、完全食の「BASE FOOD」は食事という日常に自社商品を溶け込ませるために積極的にレシピなどを提案している

3. 自社のポジショニング、USPの改善

  • Tweetでも触れているが、"商品開発ではなくモーメント開発 and ポジショニング開発"、すなわち顧客が自社商品を利用するシーンを明確にすること、他の代替手段ではなく自社商品を選ぶ理由を明確にすることが何よりも重要
  • 1と被るが「顧客は自社商品の何に価値を感じて買い続けてくれているのか」という点を深掘りし、自社商品の打ち出し方を軌道修正している
  • 例えば自社で言うと、アンケートでも定性面のフィードバックでも「手作り感」や「作り手側との距離の近さ」がもっとも評価されている点の1つだったため、商品を梱包してくれているスタッフのビデオレターを入れたり商品の原料を提供する生産者さんの紹介を紙の冊子でしたりと、打ち手に役立てている
梱包などをしてくれているスタッフのビデオレター
生産者さんのストーリーを伝える冊子
生産者さんのストーリーを伝える冊子
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補足: Fond福山さんの"顧客が選ぶ理由はこの3つのうちどれか"

  • 定量的に纏めているわけではないが、自社の強みに関してはFond福山さんが前田ヒロさんのPodcastで仰っていた下記3つを念頭に置いたうえで、自社商品が選ばれている理由や強みとして今後も伸ばすべきところを考えている
💡

<成功している会社はこのなかの少なくとも1つが秀でている> 1. プロダクト・リーダーシップ (例. Apple 2. オペレーショナル・エクセレンス (例. コンビニエンスストア 3. カスタマー・インティマシー (例. ザッポス

成功している会社を見ると、これから挙げる3つのフレームワークのうち、少なくとも一つは秀でていることが多いようです。 まずは、プロダクト・リーダーシップ。圧倒的な良いプロダクトでもって顧客に選ばれている。わかりやすい例はAppleですね。 次はオペレーショナル・エクセレンス。オペレーションの過程で優れた仕組みを持ち、提供価格を下げることで、顧客に支持されます。たとえば、コンビニエンスストアや1000円ヘアカットといった業態です。 最後がカスタマー・インティマシー。日本ではあまり馴染みがないようですが、いかに顧客と親密な関係を築けるか、です。アメリカなら靴屋のザッポスが当てはまります。ザッポスはカスタマーサポートの圧倒的な顧客体験で、親密な関係を築いているのは有名な話です。 顧客目線で選ばれる理由を見ても、この3つのどれか、あるいはコンビネーションだと思うんですよね。そうすると、どれが会社にとっての望むべく軸なのかを、あくまで顧客目線で考えるのが大事です。 (「成長率の罠にハマるな。SaaS経営者が考えるべき戦略と戦術 [Fond・福山太郎さん]」より抜粋)

Podcastのこの回、かれこれ20回は聴いたんじゃないか。D2CやSaaSに限らずサービスづくりをしている全人類必聴です

4. 今後の商品開発・事業開発の機会発見

  • 1~3はサービスの現状の改善や軌道修正にフォーカスしたメリットを述べたが、事業に非連続な未来をもたらすヒントも顧客インタビューからもたらされる
  • 例えば自社で言うと「両親に定期的に連絡をとったり感謝を述べたりしたいが、機会がない」という主に独身男性のインサイトをインタビューから得たことにより、「仕送り」という切り口で新たな商品プランやPRを実施した
    • 本施策に関しては2のモーメント開発や3のUSP改善の範疇ではあるが、他にも事業を大きく前進・ピボットさせる気づきは顧客からもらっている。本当にありがたいです
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インタビュアー: 「お風呂のもと定期便」をどうして両親に送ろうと思ったのですか? 顧客: 「実家に帰省するタイミングで、両親が入浴剤を使っていることを知っていて、入浴が両親にとっての楽しみだったり、落ち着ける時間であるのかも、と思い送ることにしました。また一回きりではなく、定期的に季節に合ったものを送ってくれるとのことだったので、両親も楽しんでくれるのではないかと思ったことが決め手です。…(中略) 商品が届いたタイミングで定期的に連絡が来るので、以前に比べると両親と連絡を取る回数がふえました。両親も毎月の商品の到着を楽しんでいるのかなと思います。」 (「遠く離れたあなたへ。“お風呂のもと”で月に1度の里帰り」より抜粋)

5. チャーン低減という副次的な効果

  • 拙稿「サブスクD2CのCSことはじめ」に詳述しているが、前提として対顧客へのCS活動はB2Cであってもテックタッチのみで完結させず、あえてヒューマンタッチな部分を残して人気(ひとけ)を出すほうが良いと考えている
  • その前提において、特に対象が継続0~3ヶ月目の初期フェーズの顧客である場合はユーザーインタビューとユーザーオンボーディングを兼ねてしまい、自社の目指している世界観やサービスに賭ける想いなどを伝えるのがよい
  • 統計的なn数まではまだ集められていないが、自社の例で言うと生産者さんや我々作り手側のストーリーを知っている顧客と知らない顧客とでは継続率に差異が出ている
  • また、一度インタビューを実施すると多くの方は前述の「耳の痛いことを言ってくれる顧客」になってくださるので、特にそういう方が身近にいらっしゃらない場合は顧客と対話し仲良くなるの激お勧めです

ユーザーインタビュー実践

  • 前段がかなり長くなってしまいましたが、ここからは実際にどういった手順でユーザーインタビューを行い血肉にしているかを書いていきます

ユーザーインタビュー実践 全体像

  • 実践ステップの全体像は下記。本稿はユーザーインタビューに関するものなので、1~6を中心に書く
💡

<ユーザーインタビューの手順> 1. ジョブの仮説を作る ↓ 2. そのジョブを持っていそうなペルソナを描く ↓ 3. ペルソナに近しい顧客を探す ↓ 4. インタビューする ↓ 5. ジョブの解像度を高める or 新たなジョブを発見する ↓ 6. ドキュメント化 ↓ (多くの場合、2~6を繰り返す) ↓ 7. 改善の優先順位づけ~施策実施 ↓ 8. 結果のモニタリング&フィードバック

1. ジョブの定義

  • まず行うべきはジョブの仮説作成。仮説の存在証明がPMF時のインタビューでもっとも大事
  • D2Cの場合は特に"継続"がキーワードになるので、「繰り返し買ってくれるユーザーが抱えるジョブ」の仮説を作る必要がある。不定期なものや単発のものではダメ
  • 正直顧客の解像度が低いと仮説が全く出てこないこともあるので、1のステップを踏む前にラフなインタビューを挟むのもアリだとは思います(というかせざるを得ない)
    • 弊社の場合は自分たち自身が買い手にかなり近い存在だったため、粗々でも仮説を作ることができた

💡

<ジョブの定義で埋めるべき項目> ■ 顧客の特定の状況 ・商品を買ってくれるユーザーの置かれている状況 ・サブスクなので、"日常のルーチンのなかで発生している状況"であることが大切 ■ 成し遂げたい進捗 ・解決したい課題と言い換えられる ・D2Cですでに市場がある商材の場合、機能的な価値だけだと差別化が難しかったり顧客が選ぶ理由が機能的価値ではないことも多いので、【機能的価値】【情緒的価値】それぞれで顧客が求めているものを記載したほうがよい ■ 不合理な代替手段 ・上記の状態を達成するために顧客が「しぶしぶ」「わざわざ」「気に入って無いけど」買っているものや行っていること。 ・ジョブ理論には無い項目ですが、元FRIL、現B/43の堀井さん(@shota)がお話していて良かったので追加してます ■ その代替手段の不満なところ ・現状の取っている手段の課題点の仮説を書く ・その課題こそが自分たちの商材で解くべきもの

  • 例えば自社商品の場合このように記入している
💡

<「お風呂のもと定義便」におけるジョブAの例> ■ 顧客の特定の状況 ・コロナで家にいる時間が増えた。一日家にいる。週末出かけれられない ・お風呂が一日のなかの数少ないリラックスタイムになっている ■ 成し遂げたいジョブ ・【機能的側面】…よりオーガニックな入浴剤を使いたい ・【情緒的側面】…リッチな気持ちを味わいたい。ちょっとした贅沢感 ■ 不合理な代替手段 ・バブなど市販の薬局の入浴剤 ・旅行に行ったときの温泉のもと ■ その代替手段の不満なところ ・市販だとマンネリ化する。入浴に変化がないのでと楽しくない。 ・市販の入浴剤のケミカルさ。色やにおいが人工的なので十分にリラックスできない

まずジョブの仮説から作る理由

  • 殆どのサブスクD2Cは単月でのリクープを想定しておらず、ロイヤルユーザー(≒解約しないユーザー)を見つけなければユニットエコノミクスが合わないビジネスのため、続ける可能性の高いユーザーを探し当てることが重要
  • なのでそういうユーザーが抱えるジョブを定義するために予め仮説を作っておくこと
  • allbirdsやCasperなどのD2Cを支援してきた著名なブランドエージェンシー Red Antlerがブランドに最初に聞く質問も「そのブランドが解決しようとしている課題はなんですか?」らしいのでこのアプローチはサブスク型に限らず一定正しいとは思います

2. 顧客像(ペルソナ)の定義

  • ジョブの仮説ができたら、そのジョブを抱えるペルソナを描く
  • 実際に自社で使っているジョブとペルソナを記載する項目のテンプレートを用意したので興味のある方は使ってください
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補足: ペルソナの是非

  • 1年ほど前に『ブランディングの科学』の続編の影響でペルソナ不要論が広がったりもしたが、ユーザーインタビュー文脈では「社内での顧客像の認識統一」「インタビューの精度向上」という2点で必要と考える
💡

<ペルソナがサービスづくりに必要だと考える理由> 1. 顧客像の認識統一 ・最も有名なミルクシェイクの「仕事先まで長く退屈な運転をしなければならない退屈しのぎ」を例にとってもわかるが、ジョブはそれ単体だけでは顧客の顔がイメージしづらく、チーム内で認識統一もしづらい ・なので、顧客のジョブを明確にしたら、そのジョブを持つ顧客像をデモグラや趣味嗜好ベースで肉付けしていくのは必要と考える 2. インタビューの精度向上 ・メリットのパートで触れたが、サブスクD2Cのユーザーインタビューでは顧客の日常の深掘りがとても重要 ・深掘りするためにはインタビュー対象の生活を予め深く知っておく必要がある。解像度が低いとオープン・クエスチョンの浅い質問しかできなくなるので

3. 顧客の選定

  • 前述のステップ1~2で顧客像が明確になったら、どの顧客にインタビューを依頼するか考える
  • 顧客の選定は「契約ステータス×ジョブ×継続月数」の掛け合わせで選んでいる
    • 💡

      例. ・[ステータス:継続中] ・[ジョブの仮説:市販の入浴剤に飽きており、入浴体験に変化をつけたい] ・[継続月数:3か月目]

    • ※ジョブはこの時点では実際のところはわからないため、デモグラ情報やアンケート内容から推測する
    • 自社ではまだやっていないが、3か月以上継続している顧客に関してはNPSやカスタマーヘルススコアを基に選定するのもよさそう
  • 現状自社ではPMFフェーズというのを念頭に「顧客は何のジョブを解決するために自社製品を買ってくれているのか」「自社製品を繰り返し使ってくれる日常のシーンはどこか、ユースケースは何か」を一番明らかにしたいのでインタビュー対象は0~4か月目のユーザーに偏ってしまっているが、継続月数によってユーザーインタビューの目的やヒアリングで深く掘る箇所は異なる
  • 💡

    【継続月数別 重点ヒアリング部分】 ■ 1~2ヶ月目 ・買った理由 ・オンボーディング成功しているか ・生活の中での利用スタイル ・解約になりうる潜在要因 etc ■ 3~4ヶ月目 ・継続理由 ・機能的価値に加えて情緒的価値も感じられているか ・生活の中での利用スタイル ・解約になりうる潜在要因 ・継続促進施策に関するフィードバック etc ■ 5か月目~ ・ロイヤル化している理由 ・生活の中での利用スタイル ・解約になりうる潜在要因 ・継続促進施策に関するフィードバック etc

4. インタビューの実施

アポ打診~日程調整

  • オンボーディングのフローについては「サブスクD2CのCSことはじめ」に詳述しているが、日程調整はmixmax、ヒアリングはGoogle meetで行っている
    • 利用しているツールについては「サブスクD2Cの初期フェーズでのTech Stack」に書く予定(まだ書いてない)
    • 💌

      <メール文例 抜粋> また、もしよろしければ直接お話して定期便に期待していることなどをお伺いできないでしょうか? まだまだ始めたばかりのオンラインショップですので、皆さんの率直なご意見を頂ければと思っております。 時間は30~60分を予定しております! (こちらは任意となっておりますのでできればで結構です!) ■ ヒアリング日程調整リンク https://cal.mixmax.com/shop.sentogurashi/xxxx.html 何かご不明な点がございましたらいつでもご連絡ください。 宜しくお願い致します。 ————————————————— 銭湯のあるくらし便 カスタマーサポート

事前アンケートの回答依頼

  • インタビューに快諾いただいたら、事前にGoogleフォーム等でアンケートもお送りしておく
  • 先にお客様のデモグラや生活習慣。購入の背景などを聞いておくことで当日のインタビューの精度が上がる
  • アンケート回答いただいた顧客の一覧はテーブルとして持っておき、定期便の顧客一覧と紐づけて相互参照できるようにする
    • 弊社では顧客情報の集約はAirtableを使っている。詳細は「顧客DB設計ことはじめに書く予定(まだ書いてない)

質問票の準備

  • 事前に聞きたい質問を予め準備しておく
  • 自社で使っているものなので商材が異なると使えないと思いつつ、質問票のテンプレートを下記に用意したので興味のある方は使ってください

当日のインタビュー

  • インタビュー技術(アイスブレイクやオープン/クローズドクエスチョンの使い分けなど)に関しては、他に書籍や記事もたくさん出ているので本稿では割愛する
  • 強いて言えば取り上げたいのは、日常の深掘りが重要なため、発言よりも行動、なかでも"習慣的な行動"に重きを置いてヒアリングしているという点
実はここで「ユーザーが言ったこと」をそのままプロダクトへ反映した例は皆無だ。 僕らは「言っていること」より「していること」に重きを置いた。インタビューやヒアリングより、テストであることが重要だった。人が欲しがるものは、人が言語化できていないもの、だから。人の行動を観察し、その中にある負を見つけるのが発明家の仕事だと感じている。

5. ジョブの修正や新規追加

  • インタビューを通じて仮説にフィードバックがかかるので、必要に応じて元々のジョブの修正や「別のジョブ」として新規で立てる作業を行う(前述の「ジョブ&ペルソナ記載シート」に追加で書き込む作業)
  • 例えば30代女性にインタビューさせていただいたとき、下記のフィードバックを得て修正した
  • 💡

    <インタビュー対象> 30代,女性, 継続2か月目 <インタビュー前の仮説> ■ 顧客の特定の状況 ・コロナで家にいる時間が増えた。一日家にいる。週末出かけれられない ・お風呂が一日のなかの数少ないリラックスタイムになっている ■ 成し遂げたいジョブ ・【機能的側面】…よりオーガニックな入浴剤を使いたい ・【情緒的側面】…リッチな気持ちを味わいたい。ちょっとした贅沢感 ⇓ <インタビュー後> ■ 顧客の特定の状況 ・普段の入浴は子どもと一緒に入っており、体を洗ってあげたりおもちゃで遊んであげることで手一杯。お風呂は「リラックスタイム」ではなく「仕事」 ・週に1~2回だけは旦那が子供をお風呂に入れてくれるので、その時だけはお風呂が数少ないリラックスタイムになっている ■ 成し遂げたいジョブ ・【機能的側面】…よりオーガニックな入浴剤を使いたい ・【情緒的側面】…リッチな気持ちを味わいたい。ちょっとした贅沢感

  • 同じ「ゆっくりとお風呂に浸かるときくらいは贅沢な気分を味わいたい」というジョブでも、共働きでDINKsの女性と上記例のような子育て中の女性では状況が全く異なる
  • こういったフィードバックを参考に商品/梱包/コミュニケーションを改善する

6. インタビュー内容のドキュメント化と共有

  • インタビューした内容は必ずドキュメント化し、チームに共有する
  • インタビューさせていただいた顧客の一覧はテーブルとして持っておき、定期便の顧客一覧と紐づけて相互参照できるようにする
    • 弊社では顧客情報の集約はAirtableを使っている。詳細は「顧客DB設計ことはじめに書く予定(まだ書いてない)

7. 改善の優先順位づけ~施策実施

  • 施策のプランニング~実施フェーズのため割愛

8. 結果のモニタリング&フィードバック

  • 施策のプランニング~実施フェーズのため割愛

ユーザーインタビュー業務の課題感

  • 最後に、ユーザーインタビューで個人的に感じている課題感を備忘録として記載する

消極層のヒアリングはできない

  • インタビューを行うメリットのパートでも触れたが、インタビューを受けていただいている時点でサービスに好意的なユーザーという選択バイアスが発生するので消極層のヒアリングはできない
  • 弊社では休止・解約の際に理由を回答頂いているのでおおよその解約理由や不満足になるポイントなどは把握できているが、実際に解約に関する深いインサイトが取れているかと言われると微妙
  • また、逆に「満足していないけど使い続けている顧客(消極ロイヤル顧客)」が抱えるジョブや思いもしないユースケースを掘り当てることもできない
    • まああったとしても相当エッジケースと思われるので、そこまでクリティカルな問題ではない

熱量や課題感の"深さ"を共有できない

  • ユーザーインタビュー内で引き出した「ここがすごくいいと思います!」といったプラスの感想も「ここを改善してほしいです!」といった不満も、ドキュメントに落としてしまうと温度感は消失し、チームメンバーに伝えるのが難しい
  • 許可をもらってインタビューを録画したこともあるが、30~60分の動画を都度見るのは負担
  • 現状はユーザーインタビューもサービス改善の優先順位づけも伊藤自身が行っているため課題感として大きくはないが、将来的にユーザーインタビューやPdM業務を他のメンバーに引き継いだときに問題になりそう

このあたり、解消方法をご存知の方がいらっしゃいましたらぜひ教えてください🙇

まとめ

  • Make Something People Want!!🐶 にはユーザーインタビューしましょう
  • ジョブの仮説こそ大事

よくある質問(FAQ)

  • よく聞かれることをまとめました

何人くらいにインタビューしたら良いと思いますか?

  • 個人の感覚ですが、PMFフェーズのインタビューでもっとも引き出したい「顧客は何のジョブを解決するために自社製品を買ってくれているのか」については、1つのジョブに対してそのジョブを持つ顧客5~6人と話せばかなりクリアになるかなと思います
  • 例えば僕らのサービスで言うと、
  • 💭

    1. 「市販の入浴剤に飽きており、入浴体験に変化をつけたい」(地方の主婦層) 2. 「普段は子供と一緒でゆっくりお風呂に入る時間がないので、週1~2回の一人で入れるときくらいはちょっとした贅沢をしたい」(子育てママ層) 3. 「離れたところに住む両親と定期的にコミュニケーションをとる理由・きっかけが欲しい」(独身親孝行層)

    などがジョブとしてあるので、上記の場合は「3つのジョブ × 5~6人 = max18人」くらいの人数にインタビューすれば十分かなと

  • しかしながら「5. ジョブの修正や新規追加」で述べた通りヒアリングを通じて新たなジョブが発見されることもあるので、その場合は元々想定していたジョブから分岐させて新たなジョブを持つ顧客像に対して5~6人インタビューします

「顧客の声を聞きすぎるとよくない」という意見もありませんか?

  • 前提として、顧客から出た意見や改善のアイデアをそのまま採用する例はほぼ無い。課題の抽象化を行い、解決するべき深さがあると判断したうえで打ち手に移る
  • また、繰り返しになるが重視すべきは「日常の深掘り」。声を聞く(取り入れる)のではなく、していることを聞きましょう

顧客の声を聞かずに行っている業務領域はありますか?

  • 全くという事は無いが、ざっくり「クリエイティブ領域」に関してはプロダクトアウトで決めたほうが良いと考えている
  • なので、UXや視認性などをヒアリング項目に含めてフィードバックをいただくことはあるが、写真やイラスト、文章のトンマナなどに関して顧客にヒアリングをしたことはほぼ無い
  • クリエイティブに関しては寧ろ自社の作りたい世界観を明確にしたら話すべきは顧客ではなく社内で喧々諤々するべき
  • 弊社デザイナーのインタビューにもその哲学は表れているのでお手すきで読んでみてください
  • 案を3つくらい出して「どれがいいですか?」って決めてもらうやり方は好きじゃないんです。正直に言って、解がいくつもあるわけない。やっぱりデザインのことを一番考えてるのはデザイナーなんで、最後はデザイナーが決めるべきと思っていて。全力でコミュニケーションをとって、全力で考えて。「これが最高のひとつです」と出したい。 (小杉湯のオウンドメディア「ケの日のハレ」アートディレクター / デザイナー 菅谷真央 より)

課題として引き出したものをどう打ち手に昇華していますか?

  • 前提、打ち手となるhowの部分については僕は殆ど口を出していないです
  • お客さんから抽出した課題、実現したいこと、解決するにあたっての制約(コスト面や期限など)のみ共有し、解決する方法に関してはメンバーに企画~実行までやってもらっています
  • ただ、実行した打ち手の定性的なフィードバックは前述の「耳の痛いことを言ってくれる顧客」に積極的にもらいにいったり定量面での評価をして、打ち手の良し悪しをジャッジしています

謝礼は払っていますか?

  • 金額ではない形ですがお礼はしてます

参考

  • 本ドキュメント執筆の上で参考にした記事やPodcastです

🌐
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