昨日はバクラク事業部 エンタープライズ部 牛丸さんの「「SaaSの経験ゼロ」で大企業から営業支援会社に転職し、LayerXに来た話」でした。是非あわせてご覧ください。
これはなに
- LayerX伊藤(@n_11o)の在籍エントリです
- Notion AI Summary
< Table Of Contents >
- これはなに
- はじめに
- One Way DoorとTwo Way Doorについて
- One Way Doorの「重み」
- 片道切符を踏み出す「覚悟」─メリット・デメリットを超えた先に
- おわりに
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- Comment
はじめに
こんにちは、すべての経済活動をデジタル化したいLayerX伊藤です。【#日めくりLayerX】というブログリレー企画で久しぶりに記事を書かせていただきます。
もともとLayerXにはマーケティング職で入社し、2年ほど前に決済(法人カード)事業に異動後、現在はSales & Marketingのチームと事業企画のチームを兼務しています。LayerX歴も気づけば3年3ヶ月。だいぶ古株になってきました。
今日はジェフ・ベゾスの言葉でよく知られる「One Way Door(ワンウェイドア)」の意思決定と、そこで求められる覚悟について、最近の業務で思うことがあったので書いてみたいと思います。
One Way DoorとTwo Way Doorについて
まずOne Way Doorとは何かについて簡単におさらいを。
アマゾンの意思決定手法として知られるこの概念は、一度扉をくぐると元には戻りにくい「One Way Door(一方通行のドア)」と比較的簡単に戻ったり修正できる「Two Way Door(双方向のドア)」の2つに分けて意思決定を考えよう、というものです。
- One Way Door : 影響範囲が大きいため一度決めたら後戻りが難しく、コストやリスクが高い意思決定。
- Two Way Door : ある程度簡単に戻したり修正でき、トライ&エラーがしやすい意思決定。
例:資金調達、M&A、大型のパートナー提携、プライシング、人事制度設計 etc
例:LP(ランディングページ)の修正、プレゼン資料の修正、会議体の変更 etc
両者は完全に白/黒どっちかの世界ではなく、グラデーションです。上記でOne Wayに分類したものでも撤回や修正が効くものもありますし、Two Wayのものでも重い意思決定はあります。
One Way Doorの「重み」
自分はこれまで、セールスやマーケティング、BizDev、BPOコンサルなど比較的「トライ&エラー」がしやすい領域の立ち上げやマネージャーをしてきました。
例えば
- セールスの提案資料… うまく刺さらなかったら、次回以降の提案資料を修正する
- マーケティング施策… クリック率やCPAが悪ければ、メッセージやチャネルを変えて探索する
- BPO事業のプライシング… お客様ごとの契約なので、基本料金はありつつお客様の予算事情を見ながら金額を調整する
「大事コンペでお客様に提案が刺さらず、競合に負けた」「大規模なマーケティング投資をしたが、空振りしてしまった」というような、個別の案件や施策単位で結果が出た後に後戻りができない失敗は数多くあります。
しかし全体としては「修正や再チャレンジが可能な余地」が大きく、「Two Way Door型」の意思決定が多い業務をしてきているなと思います。
一方で、現在担当している決済事業の事業企画の仕事は、一度決めたら簡単には変えられないもの、今後の事業の方向性を決定づけてしまう業務が多いと実感しています。
例えば
- カード利用限度額の設定基準
- 国際ブランドとの座組、パートナー選定
- 規約などリーガル周りのアップデート
これらは冒頭に例として挙げたような資金調達、M&Aなどスタートアップでもっとも大きいOne Way Doorの意思決定と比べると「あとで修正や撤退もできる」ものではありますが、一つ一つの仕事の時間軸が長く、論点は多く、社内外のステークホルダーを巻き込む、事実上「簡単には引き返せない」意思決定がほとんどです。
異動してから「自分が今までしてきた意思決定は ”意思決定” と呼べるようなものだったのか?」と自問することもしばしば。とってもやりがいがあり、怖くもある。そんな仕事です。
片道切符を踏み出す「覚悟」─メリット・デメリットを超えた先に
この下半期に、今後数年にわたる決済事業の限界利益を左右するプライシングについてオーナーとなり、意思決定をリードしました。
重要な業務であることは理解していたので、情報収集と分析、リスク・リターンの検討、変更後のForecastなどかなり入念に行い、VPやCEOはじめ、各種ステークホルダーとのMTGに臨みました。
いただいたフィードバックに共通していたのは「意思決定のイニシアチブを他人に委ねていないか?」「案A ~ Cに、あなたの意思は乗っているのか?」というものでした。
こういった類いの業務では、どれだけ完璧に情報を集めてメリット・デメリットを比較しても「正解が見えている」ことはほとんどありません。
必要なのは、自分が腹を括って「これでいきます」という覚悟や勇気だと痛感しました。
そしてこれこそが、One Way Door型の意思決定の醍醐味であり、大変なところでもあるなと思います。
また、そういった自分の意志を反映させた仕事に対してトップの方々が率直なフィードバックをくれるのがLayerXのいいところだな〜、と再認識しました。
おわりに
自分自身まだまだ修行中なのですが、最近考えていることについて書いてみました。
LayerXの決済事業では、こうした後戻りできないヒリヒリする仕事をプロフェッショナルなメンバーが協力し合いながら進めています。
「覚悟はいるけど面白い」──そんなダイナミックな環境に興味がある方はX(旧Twitter)や下記OpenDoorよりぜひご連絡ください。
すごく身構えた書き方をしてしまいましたが、Two Way Doorな仕事もチャレンジする環境もたくさんありますので、お気軽に。
( 本稿をここまで読んでいただいて、「失敗が許されない事業部や会社」という印象になってしまっていたら申し訳ないです、誤解です🙇♂️)
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ちなみに「One Wayな仕事」に関しては、ちょっと前に読んだこの本がエンパイアステートビルの建設やピクサー映画の作り方などBig Projectの色々な事例が紹介されていて面白かったです📖
『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』
昨日はバクラク事業部 エンタープライズ部 牛丸さんの「「SaaSの経験ゼロ」で大企業から営業支援会社に転職し、LayerXに来た話」でした。是非あわせてご覧ください。