権限移譲における6つのアンチパターン
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権限移譲における6つのアンチパターン

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※ この記事は、LayerX Advent Calender 2022(概念)の記事です。

これはなに

  • LayerX伊藤(@n_11o)の、権限移譲に関する備忘録です
  • 何度転生しても権限移譲の難しさを常に感じるので、自分に向けて「絶対意識しておくべき」というのを書き留めておくことにしました

< Table Of Contents >

はじめに

すべての経済活動をデジタル化し、ハタラクをバクラクに変えたいLayerX伊藤です♨️

LayerX Advent Calender 2回目の登場です。寒暖差すごいですね。服装が迷子です。季節の変わり目は体調崩しやすいのでみなさんお気をつけください。

自分はプライベートで「銭湯ぐらし」という会社を運営しているのですが、最近その運営で権限移譲について反省すべきこと、自覚したことがありました。

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自分は「業務を巻き取る」ほうはわりと得意(?)だが、「業務を渡す、任せる」ほうはビビるくらいヘタ

同じ轍を踏まないためにも未来の自分に向けて

「⚠️ おぬし、この失敗やりがちだぞ!⚠️」

というアンチパターンをメモっておかねば…と思い、滑り込ませていただいた次第です。

昨年書いた下記Postは「巻き取る」が主題でしたが、その続編「渡す / 任せる」としてお読みいただければ幸いです🐦

1/ “業務”を移譲しただけで”オーナーシップ”を移譲していない

まずカイゼンしなくてはいけないのはこの”オーナーシップの移譲”です。

1年に1回程の頻度で痛感しています。

自分はストレングスファインダーで「親密性」や「個別化」の資質が高いからか、個々人の得手不得手を見ながらのアサインは意識しているのと、わりとドキュメントも丁寧に書くほうではあるので、

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渡した業務や移譲した役職に対して、渡した側のメンバーのスキルが不足しており潰れてしまう ・渡し方があまりにも雑すぎて、渡した側のメンバーがどう動けばいいかわからない

上述のようなパターンの失敗はあまりしてこなかったと自負しているのですが、

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「今やるべきことはわかったけど、気持ちが乗らない」

もっと相手への伝え方が良くない場合は、

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「あなた(伊藤)がよりやりたい仕事をやるために、私に仕事と責任を押し付けているだけでは?」

のように思わせてしまったことについては、心当たりがありすぎてウッッ…となります。 (過去ご迷惑かけた皆様、本当にゴメンナサイ🙇)

どんなに優秀でどんなにオーナーシップが強い方でも、権限移譲の時点では移譲する側である貴方よりその業務のオーナーシップが強いなんてことは基本的にありえません。

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「なぜ任せるのが貴方じゃないとダメなのか?」

「自分はこれまでどういう思いでその業務、その役職をやっていたのか?」

このあたりを丁寧にお伝えして、前任者の自分よりもオーナーシップを持ってもらう。

必要なのは、「魂の権限移譲」。これは肝に銘じようと思います 💪

2/ 移譲して浮いた自分のリソースを何に投じるのか説明していない

オーナーシップを持っていただくために伝えるべき要素のひとつという位置づけですが、これを丁寧にお伝えしないと前述のように、

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「私に押し付けてラクしようとしてない?」 「自分だけ楽しい仕事やろうとしてない?」

といった疑念を生んでしまうかもしれないということを念頭において、部署異動や昇進などわかりやすい変化の有無に拘らず、「自分は新たにこれをやるぜ亅をしっかりと言語化しましょう。

ポイントは、「全社最適」もしくは「チーム最適」という観点で自分のリソースをどこに投じるのかを説明しきることだと思います。

(権威移譲の際は、「自分のキャリア的にこっちのスキルを伸ばしたいから〜」のようなキャリア観点からの説明はあえてしないほうがこの場では最適なコミュニケーションだと思っています)

前職のReproというスタートアップでは、Exceed Your Boss という素晴らしいバリューがありました。

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Exceed Your Boss

上司の仕事を自分ができるようになれば、上司はより価値のある仕事に着手できるのでチームのレベルも上がる。チームと自分を成長させるために上司の仕事を奪おう。

上司/部下という言い方は個人的にはあまり好きではないですが、権限移譲をする側もされる側も「移譲は全社最適のため」というような意識を持てると、強い会社・チームになるのではないかと思っております!

ちなみに「自分というリソースをどこに配置するとレバレッジかかるか」という話は、弊社PodcastのSmartHR宮田さんゲスト回が凄まじく勉強になるので良かったらどうぞ📻

#35 特別対談[前編]:創業者が新規事業をやる意味・CTOがCEOになる意味【SmartHR宮田さん×LayerX福島】

Listen to this episode from LayerX NOW! on Spotify. LayerXの日常を伝えるPodcast『LayerX NOW!』 今回は特別編として、2021年末にSmartHR CEOの退任を発表された宮田さんをゲストにお迎えし、CEO福島と対談しました。 1時間半にも及ぶ収録になったため、前編・後編と2回に分けて公開します。 ▼ 話のハイライト アイスブレーク 0:47 宮田さん自己紹介 1:35 趣味の話 2:54 最近ハマっていること 本題:福島から宮田さんへ質問 4:35 SmartHR退任。創業者が新規事業をやる意味 7:40 それぞれが活躍出来る場所に動いていく 10:35 良くも悪くも創業者がやることの影響は大きい 12:50 GunosyからLayerXの話 13:40 機会が人を成長させる 13:54 退任に対して勿体無いとは思わなかった? 15:16 SmartHRの為に役割を変えた 16:16 新代表の芹沢さん:CTOが代表取締役をする意味 18:15 SmartHRのCEOの役割 21:14 CTOがCEOになるメリット 22:35 エンジニア採用 26:57 良い会社であることと、やりがいを感じさせる会社であることは難しい 28:50 フェーズの変化と採用の難度 36:44 宮田さんが採用で思っていること 39:04 行動指針の伝え方 ▼ メディア情報 LayerX エンジニアブログ:https://tech.layerx.co.jp/ LayerX 公式note:https://note.layerx.co.jp/ LayerX Newsletter:https://layerxnews.substack.com CEO福島のnote:https://note.com/fukkyy 採用情報:https://layerx.page.link/jobs

#35 特別対談[前編]:創業者が新規事業をやる意味・CTOがCEOになる意味【SmartHR宮田さん×LayerX福島】

3/ 移譲する当人の理解は得たが、周囲には十分説明していない

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<あるある権限移譲ミス>

  • 権限移譲する当人と1on1した。
  • 最初からオーナーシップ持ってくれて頼もしい!
  • 引き継ぎドキュメントもしっかりと書いた 📝

 ↓

  • 自分の上長である役員に「〇〇さん、新リーダー快諾してくださいました!」と伝えた。組織図も変えた 🗺️

 ↓

  • チームMTGで組織図ドーン。どや!新体制頑張ろうぜ!

 ↓

  • メンバーの顔 😕 😞 😢 ☹️ 🙄 

 ↓

  • あんまりワークしてなさそうな新体制。

アレレ…?

書きながら過去が想起されて心にグサグサきていますが、説明責任は、権限移譲する当人だけに果たせばいいわけではありません

役職的な抜擢であれば少なからずジェラシーを感じるメンバーもいるでしょうし、何より「知らない・聞いてない」は避けたい負の感情。納得感の無さはスタートアップの敵です。

人数が増えてくると全員に対して丁寧に説明する時間が物理的に取れなかったり、逆に事前に全員から意見を拾いすぎて意思決定がブレるのは避けるべきですが、

少なくとも古参で昔から頑張ってくれているメンバーや、役職・昇進に対して拘りがあるタイプのメンバーには事前にコミュニケーションを取っておくほうが良いと思います。

全員を納得感100%にするのは極めて難しいですが、少なくとも何人かは事前に味方がいないと、いくら権限を移譲した方の能力/モチベーションが高くても周囲をうまく動かせないので、そこも含めてサポートしましょう。

4/ 相手のタイプによらず移譲の仕方が一律

極端な話、マニュアルなど無く丸投げされるほうが燃えるタイプの人もいれば、不安・不信感を感じるタイプの人もいます。

特に急拡大しているスタートアップだと、0→1得意人材と1→10、10→100が得意な人材が入り交じり、(一般論的ですが)初期のフェーズに入ってくる方ほど荒野を好む傾向にあるので

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「イシューはこれ!ミッションはこれ!あとはよろしくです✋ 

のような移譲の仕方に慣れていると、会社のフェーズや入社される方がより多様になってきたときに大きな壁として立ち塞がるので、ちゃんとその人に合った移譲の仕方を心がけましょう👌

その人にあった移譲をおこなっていくためにも、互いの信頼関係の構築(自己開示)はとても大事です。

5/ Howを細かく規定しすぎる

ぼく個人としては、時間の制約が無ければ)ドキュメントは細ければ細かいほど良い、きっちり書きたいと思っているのですが、こと権限移譲においては細かいhowの規定は逆効果になる場合があります。

多少howは荒くても「魂の権限移譲」はしっかりと行う、そのための必須項目として「期待値」「イシュー」は必ずドキュメントに書きましょう。

オーナーシップさえ引き継ぐことができれば、アクションの方向や頻度が変わるはずです。

個人的にはGitLabの偏執的なドキュメンテーション文化は凄いしリスペクトですが、バランスが難しいですね…🦊

6/ 引き継いだあとも口を出す

1~5全てのアンチパターンを回避して権限移譲を終えた状況を想像すると、むしろ自分のときよりも後任者に移譲したあとのほうが上手くいきそうな気がしてきます!(やったね✌)

それにもかかわらず、自分の心の奥底で飼っている獣が時おり出てきます。令和の山月記、クソジーコです。

僕は試合中にベンチから飛び出していって、エースを退けながら自らフリーキックの助走に入る、とんでもない監督だったんですね。まさにクソなジーコです。ジーコ監督はそんなことしないんですが。経営者や元優秀な現場プレイヤーだったマネジャーは、自分が一番上手にフリーキックを蹴ることができると思っているわけです。 そして思っているだけならまだしも、ペナルティーエリアから 5m ぐらい外でファウルがあると、勢い良くベンチから飛び出してくるのです。 (「経営における「クソジーコ問題」とは」より)

任せたら口を出さないを徹底するしかないですね!

前職の話になりますが、プロフェッショナルサービス(アプリのユーザーアクイジション支援)事業のマネージャーを後任メンバーに引き継いだときに、

引き継いで自分は別のチームに移籍したあとも週次mtgにしばらく出続けたり、メンバーやクライアントからのSlackに後任のマネージャーより先にコメントをしたりしてしまっていたことがありました。

ある日、後任のマネージャーに「直樹さん、やりづらいっす」とキッパリ言われていたく反省し、後ろ髪を引かれる想いで全クライアント様とのSlackチャネルをmute、他部署からくる確認や質問も全て自分が回答することをやめました。

その結果、

まっっっっっっったく何も問題は起きませんでした。本当に頼もしい限りです。

なんなら自分が抜けた新体制になってから組織は更に良くなり、1年半ほど経ってRepro2つ目のSaaSとなる新プロダクトまで作ってくれました。今も好調とのことだそうです。

この件以外も含め、クソジーコして良かったためしはこれまで1度も無いと言えます。

しかし、定期的にこの癖が出てきてしまうので、完治しない悪癖として自覚し、この先なるべく発症しないように努めようと思います。。。🐯

おわりに

ニガテな権限移譲についてあれこれ書いてみました。未来の自分にプラスに働いてますように…🙏

もし今後ぼくから権限移譲がある方は、本稿に書いてあることができていないと感じた場合は遠慮なくFBお願いしますっ🤝

「自分はこんなやり方してるよ〜」

「我こそは権限移譲の天才、Mr.デリゲーションじゃ〜」

という方は、MeetyTwitterでお気軽にご連絡ください!

明日は古賀さんの記事です!

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