今後のB2Bマーケ人材に求められることは「越境」
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今後のB2Bマーケ人材に求められることは「越境」

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※ この記事は、B2Bマーケティング Advent Calendar 2023の記事です。 アドベントカレンダーの記事や感想に関してはXのハッシュタグ「#B2Bマーケアドベント」をご覧ください!

これはなに

< Table Of Contents >

はじめに

こんにちは、すべての経済活動をデジタル化したいLayerX伊藤です。

もうB2Bマーケ職ではないのに、B2Bマーケティング Advent Calendarのトップバッターを務めさせていただいております。

マーケじゃなくなった背景や今は何をやっているかなどは、最近書いた別の記事をご覧ください!

短期間に記事を書く予定を詰め込みすぎて、サムネ画像が前回とほぼ同じなのは内緒です🫠

また、弊社の決済事業にどんな人がいるか、自分以外の人は何をしているかなどはX(旧Twitter)のハッシュタグ「#バクラク決済事業のイマ」をご覧ください!いきなり宣伝ですいません🙏

この記事の対象者

  • SaaSや無形商材などのB2B商材のマーケティングに携わっている方
  • 逆に、現在はB2Bマーケ職ではないが興味ある / チャレンジしてみたいな〜と思っている方

AI Summary

Notion AI先生にサマってもらった記事の要約は以下です。

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この記事では、B2Bマーケティング人材に求められる「越境」の重要性について述べられています。具体的には、受注側の視点や原価意識、異なる職種やビジネスモデルへの経験を通じての成長が重要であると述べられています。B2Bマーケティング職に興味がある方やキャリアチェンジを考えている方にとって参考になる情報が含まれています。

B2Bマーケ、Howが幅広すぎ問題

突然ですが、B2Bマーケティングってめちゃくちゃ幅広くありませんか…?

下図は才流さんのBtoBマーケティングの手法大全ですが、

  • webサイト制作
  • 広告出稿
  • コンテンツ制作
  • セミナー開催
  • 展示会出展
  • MA/SFA運用

などなど、ひとくちに「B2Bマーケティング」といっても沢山の手法があることは、日々業務に従事されている皆さんであれば感じていることかと思います。

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この幅広さゆえに、手法(How)に関する経験やスキルが重視されすぎていないか?

特に昨今の成熟したSaaS組織では、「誰に(Who)」「何を(What)」といった部分もPdMやPMMが担い、マーケティング部門は実質的にはリードジェン部門になっていないか?本当に大事なのって後述する顧客理解とかじゃないっけ?

というのが本稿の問題提起であり、表題に「越境」を冠した背景です。

B2Bマーケ職だと身につきづらいこと

「大事なのにB2Bマーケティング業務だけやっていると身につきづらいな〜」と思っているのはこのへんです。

顧客理解

  • 「顧客理解大事だけどマーケにいるとむずい」はよく語られるテーマですが、ご多分に漏れず自分もそう思います。
  • 「事例取材する」「営業の商談に同席する」「部門横断でカスタマージャーニー作る」などなど解決策も色々と挙げることはできますが、
  • わりと自分は極論者なので、結局「商談同席」とかでは自分ゴトにならないのでは?と思っています。
  • ときに冷や汗をかきながらお客様の質問に答える、受注やサクセスまでのストーリー(仮説)を自分で考え、提案書にして話す。
  • そういう「自分の本務としてやらなければいけないこと」を通じて顧客理解が深まり、自分でも自信を持ってマーケティング施策に落とし込めるのかなと思っています。

受注側の視点

  • 特に社外の方と接する際マーケは発注側として立つことがほとんどかと思いますが、受注側を経験せずに発注側をやるのは結構危ういなと思っています。
  • 「金額や提供内容などの条件交渉」「契約書のレビュー」「発注後のパートナーディレクション」このあたりが甘くなりがちです。
  • 前職でマーケコンサルのクライアントワークをやっていたときも、お客様のなかでも広告代理店出身のご担当者は皆さん良い意味で ”受注側である我々を使う” のがお上手でした。
  • ただ受注側はカンファレンス主催してスポンサー集めなどやるとマーケ職でも経験できるので、業務にもよるかもしれないです。

原価意識

越境のケーススタディ 〜自分の場合〜

やいやいゆうてるお前はどうなんじゃい、というお話ですが、

自分の場合、前職や友人らとやっている会社でB2Bマーケティング「以外」の経験ができたのが結構大きかったなと思っています。

■ プロフェッショナルサービス事業の経験(職種の越境)

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サブスクD2C事業の経験(B2B→B2Cの越境)

  • また、前職を辞めたあとに入浴剤のサブスクD2C事業を0からやってみたのもとても良い経験でした。

  • ↑のツイートでは「SaaSの考え方そのまま活かせた」と書いてはいますが、
    • 原価や粗利への過敏度
    • 「在庫」「ロジスティクス」などソフトウェアでは存在しない概念
    • キャッシュフロー
  • などは「仕入れて、作って、売る」という商売の基本をやってみてはじめてわかるもので、B2BからB2Cに越境しなければここまで身に沁みることは無かったと思います。

(Now) 法人カード事業の事業開発(職種 & ビジネスモデルの越境)

結論(持論)

というわけで、自分の場合はB2Bマーケ職も「これまでの社会人経験で強いて言えば一番長い」くらいの位置づけでこだわりがないというのもありますが、

こういった “職種や商材の越境” は、たとえ本稿をお読みの皆さんが「俺/私はB2Bマーケ職で生きていく」と腹を決めているにしても、活きてくるのではないかなと思っています。

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自分もどこかのタイミングでまたB2Bマーケ職に戻るかもしれませんが、今の経験もきっと還元できると確信しています。

逆に、B2Bマーケティング職に興味がある方へ

冒頭の「手法大全」などを見てしまうと一層、セールス職やカスタマーサクセス職といった他職種に従事されている方々からみてB2Bマーケ職は必要以上に「専門性が高いように見える」と思います。

🗒️
<再掲>
  • webサイト制作
  • 広告出稿
  • コンテンツ制作
  • セミナー開催
  • 展示会出展
  • MA/SFA運用

etc

ただ、今は学べる書籍も先行している企業の取り組みも沢山ありますし、個人的には上記で挙げたような顧客理解や受注側として鍛えた対人折衝力などのほうがよっぽど大事だと考えています。

日々顧客と接しているセールス職やカスタマーサクセス職の方であればそういう観点はむしろマーケよりあると思いますので、専門性が必要なところはあとから身につける前提で、「非マーケからマーケへの越境」も全然できるのではと思います。

とはいえ未経験でも社内異動や転職ができるかは会社次第なので、個人の意見であることはご留意ください🙏

おわりに: “越境” できる環境をお探しの方へ

つらつらと書いてしまいましたが、キャリアは千差万別ですし正解はない話かなと思っているので、B2Bマーケの方々で集まったときの酒の肴の一つにでもなれば幸いです🍶

ちなみに弊社LayerXでは、

  • 本稿で取り上げたようなマーケ → notマーケのキャリアチェンジや、
  • リリースして3年経ったプロダクトのマーケ → 新規プロダクトの立ち上げマーケなど、

同じマーケティング職でもフェーズのチェンジなど、”越境”できる環境がたくさんあります。

興味がある方は僕のTwitterや下記OpenDoorよりぜひご連絡ください!

明日はcommmune CMO杉山さんの「エンタープライズマーケことはじめ」です!

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カード事業のメンバーの発信は「#バクラク決済事業のイマ」から

余談: マネジメント観点の難しさ

ちなみに余談ですが、組織の観点からみるとB2Bのマーケティング部門はマネジメントも難しいなと思っています。(いやいやどのファンクションのマネージャーも大変やぞ〜という他部門マネージャーの方々、ご容赦をば🙇)

  • 成果への評価
    • インサイドセールスやフィールドセールスだと、目標とする商談獲得数やMRRなどをメンバーごとに設定し、達成度を測る(絶対評価)・メンバー間で比較する(相対評価)というのが一般的かなと思います。
    • 一方でマーケはリード数やMQL数などを目標KPIに置くのが一般的かなと思いますが、「広告で月にリード200件とった田中さんは、セミナーで月にリード50件とった佐藤さんの4倍すごいのか?」と言われるとそんなことはなく、
    • チャネルの性質や施策が認知拡大なのか比較検討層の刈り取りなのかなどの狙いによっても異なるため、
    • もちろん数字としては比較できるのですが、「各メンバーの評価」というところに落とし込む際には基本的に絶対評価でしか測れないというのが難しいところだなと思っています。
  • 生産性への評価
    • インサイドセールスやフィールドセールスだと、成果から逆算して目標とする架電数や商談実施数などをメンバーごとに設定するのが一般的かなと思います。
    • 一方でマーケも目標KPIからの逆算で「セミナーで月に200件のリード獲得が目標値で、1セミナーあたりのリード獲得平均が50件なので月に4回以上は実施しよう」などチャネルごとに行動目標数は置けるのですが、
    • 事例記事を月5本執筆している高橋さんは、セミナーを月4回開催している佐藤さんより生産性が高いのか?」と言われるとそれはわからず、
    • 結局は業務生産性も「その人のグレードや過去のパフォーマンスと比べてどうか」という絶対評価でしか測れないというところに難しさがあるなと。(過去に各業務ごとにかかる時間を算出して強引に比較してみたこともありましたが、ワークしなかった)
  • (ジュニア)メンバーの育成
    • またメンバー育成という観点で見ると、上記のような難しさから
      • 「行動量をKPIに置いた強烈なノルマを課されにくい」
      • 「自分の活動や成果を他のメンバーと比較されて(良い意味で)焦る、みたいな経験をしにくい」
    • というのが他職種と比べた傾向としてあるため、個人的には、社会人歴浅めの方がB2Bの事業会社でマーケからキャリアを始めると壁に当たってしまう瞬間はあるのではないかとも思っています。(前職の第二新卒でマーケからキャリアスタートしたお前が言うなとは思いますが)

「ウチは絶対評価なので大丈夫です」「いやいやお前が相対評価を重視しているだけやろがいw」というご意見もあるかと思いますが、

マネージャーとして成果に責任をもち、生産性向上やメンバーの成長にも考えを巡らせるにあたって、「ツールキットとして相対評価の観点を用いにくい」というのが難しいな〜というお話です。

補足として書いていたら長くなってしまったので本稿からは除いたのですが、せっかくなので末尾に載せておきます🙏

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