はじめに
「速さこそ正義」
スタートアップにいると何度も耳にする言葉ですし、自分もそう思います。
市場は待ってくれない。リソースは限られている。とにかく速く、最小限に検証して次に進む。そんなスタートアップのカルチャーが好きですし、信奉している側の人間です。
しかしその一方で「スタートアップこそ品質が大事」だと、強く、強く思います。
品質はQCD*の一番最初に掲げられているくらい、もっとも大事な要素だと考えています。
(*Quality: 品質 / Cost: コスト / Delivery: 納期)
考慮すべき「品質」とは
ここで述べている「品質」とは、「バグの少なさ」「パフォーマンス」「可用性」「認証などセキュリティ面」といったプロダクトに関することだけを指しているわけではありません。
- ヘルプページ / マニュアル等の充実度
- チャットサポートの応答時間
- メンテナンス / 障害時の告知方法と対応
- 契約 / 解約 / 請求における明快さ
- 担当営業のメール/電話での対応
など、プロダクト以外についても指しています。
これらをSLOとして明記することも大事ですが、定められていないことも含めて「お客様に信頼・安心して使ってもらうことにプロダクト/ 非プロダクト両面で責任を持つ」というスタンスでいることが大事だと思っています。
(※「無茶な要望も聞くべき」という主張をしているわけでは無いので悪しからず)
お客様が背負うリスク
導入側の企業の担当者にとって、スタートアップの製品を導入することは、とにかく説明コストがかかります。
「なぜこの上場企業の競合製品にしないの?」
「Excelじゃダメなの?」
「決算公告見るとこのスタートアップずっと赤字だけど、本当に大丈夫?」
そういった懸念や反対の声もあるなかで、推進者の方はご自身や自社の業務、そしてお客様のお客様にあたる方々(エンドユーザー / 取引先 etc)を幸せにするために、時間と労力、熱意をかけて導入を進めてくれます。
そうして導入が決まった製品は、きっと業務をラクにし、ビジネスの拡大に貢献するでしょう。導入を推進したご担当者様は社内でMVPも取ったりするかもしれません。顧客事例のインタビューやセミナーにも出ていただき、「〇〇を導入して本当に良かったです」と笑顔でお話しいただけるかもしれません。
その信頼を、一回の障害やミスで裏切るのは簡単です。
同僚からの称賛は陰口に変わり、「それ見たことか」と手のひらを返される。お客様のエンドユーザーやお取引先にもご迷惑がかかり、始末書を書く。最悪、損害賠償などのケースにもつながる。
一回の品質の軽視が、導入を推進したご担当者様の立場、ひいては導入企業のビジネスの根幹を危うくすることになりかねない。
上記は極端な例かもしれませんが、知名度も社会的信用も無いスタートアップは絶対に品質を軽視してはいけないと思います。たとえ他社の製品より10倍使いやすく、10倍価格が安いとしても。
おわりに
短めですが、特に「決済」という企業活動のインフラともいえる性質の事業に携わってる身としてあらためて感じていることを書いてみました。
自分は特に非プロダクト側の品質に責任を持つ意識で今後も仕事をしていこうと思います。
↓↓ カジュアル面談 募集中です!!↓↓